2013年8月12日のグレージング

2013年8月12日(月)におとめ座の一等星、スピカの星食が起きました。
日本で見られる一等星による星食は2005年3月31日のアンタレス食以来8年ぶりで、
スピカ食自体は1994年11月30日以来、約19年ぶりのことでした。

全天には21の一等星がありますが、星食の可能性があるのは、
天球上で月が地球からの見かけ上通る道(白道)に存在する
アルデバラン、レグルス、アンタレス、スピカの4つで、日本で見られる次回の一等星食は、
2015年10月2日のアルデバラン食だそうです。

北限界線
今回の北限界線は、秋田県南部~岩手県南部でした。
私たち東北大学天文同好会は、秋田県は由利本荘市西目を観測地として選びました。
夏休みということや12日夜のペルセウス座流星群の極大日の観測も併せて
入念に計画を行ったこともあり、
当日は25人というこれまでにないたくさんの人数がグレージングに参加しました。

かぐや 月
これらの図は月周回衛星かぐやによって算出した、スピカと月がかすめる地点の予報と、
月のどの位置を通過していくかを示してします(*1)。
食は日没後二十分の19:00頃、南西で見られるとの予測で、
6つの班に分かれそれぞれの配置につきました。

スピカは暮れなずんだ空に浮かぶ月齢6の月の、明るい部分をかすめていきましたが、
1等星だけありその明るさに負けず燦然と輝いていたので、
容易に観測を行うことが出来ました。
雲も月を覆うこともなかったので、観測状況は良好でした。
現象時刻はおおよそ19:01~02頃でした。

観測結果
観測結果は、図のようになりました(クリックで拡大)(*3)。
今回のグレージングでは、小林班では1D1R、清水班では2D2R、関班では5D5R、
中鉢班では4D4R、沖田班、新澤班では3D3Rと、
全ての班において数多くの掩蔽と出現を観測することができました。

今回の結果は、2014年1月号の天文ガイド(誠文堂新光社発行)の
124頁に掲載されました。


(参考)
スピカ食の布陣図は以下の通りでした(*2)。
(少し場所を移動した班もありました)。

配置1 配置2
1:小林班
2:清水班
3:関班
4:中鉢班
5:沖田班
6:新澤班


*1:月縁データは星食観測ハンドブック2013
(http://astro-limovie.info/jclo/doccuments/Handbook/index.html)
から引用させていただきました。
*2:布陣図はhttp://www2.wbs.ne.jp/~spica/index.htmを元に作成させていただきました。
*3:観測結果整約図は、広瀬敏夫さんに作成していただきました。

以下のホームページを参考にさせていただきました。
AstroArts(http://www.astroarts.co.jp/alacarte/2013/201308/0812/index-j.shtml)
Stargaze Web(http://www.stargaze.co.jp/130812/)
また、記事を書くにあたり、A4沖田さん、A8小林さん、B0望月さん他たくさんの部員の方に協力していただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。
written by Risa Shimizu(2014)..

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