2011 秋 写真展


毎年、天文同好会では春と学祭時の2回にわけて天体写真展を開催しています。
今年度は震災のために春の写真展は中止となってしまいましたが、
1年ぶりの写真展ということもあり、出展者ひとりひとりの大きな気合いが
感じられる作品たちが揃いました。
今回の写真展は 11/3~11/5 にかけて行われた東北大学祭にて、
C206教室の天文同好会ブースにて行われました。
今年度は数年ぶりに大教室での展示となり、広い教室を生かして
さまざまな企画を行うことができました。
みなさま ご来場誠にありがとうございました

第1位 南氷洋に浮かぶオーロラ
撮影者:   沖田 博文(2004年度入学)
撮影地:   南氷洋(インド洋南方、東経60度、南緯65度付近)
撮影日時:  2011年2月26日20時40分(世界時)
露出時間:  総露出時間:2.1秒
        各フレーム別:2.1秒×1フレーム
カメラ:   Nikon D700
フィルター:  紫外線L37C バヨネット
レンズ:   Nikon Ai AF Fisheye-Nikkor 16mm f/2.8D
撮影焦点距離:(35mm換算)16mm
画像処理:   Capture NX2
第52次日本南極地域観測隊として南極へ赴いた帰路に砕氷艦しらせヘリ甲板より撮影しました。
頭上には南天の星空とオーロラが広がっていました。
「しらせ」は氷山を避けるためサーチライトを灯し左右に蛇行しながらアメリー棚氷を目指します。
右手には朝焼けも見えます

第2位 月下の街
撮影者:   日下航(2011年度入学)
撮影地:   青葉城址
撮影日時:  18時~20時
露出時間
 総露出時間: 月フレーム:1/5秒
        夜景フレーム:103秒
 各フレーム別:月フレーム:1/50秒×10枚 インターバル各600秒
        夜景フレーム:3,6,12,24,48秒
カメラ
  名称:   Canon EOS Kiss X3
  撮影モード:マニュアル
  撮影感度: ISO 100
フィルター:  無し
レンズ:    EF 17-40 F4L USM
絞り:     F=8
撮影焦点距離: 23mm(35mm換算:約37mm)
画像処理:   Photoshop CS5
仙台の夜空に浮かぶ月を表現しました。

夜の仙台の街並みをHDR合成にてメリハリをつけ
、 徐々に浮かび上がっていく月は時の流れが伝わるように、
段階ごとに透明度が下がっていくよう編集をしました

第3位 アンドロメダ大銀河
撮影者:    内山允史(2010年度入学)
撮影地:    宮城県漆沢ダムの奥地にて
撮影日時:   2011年9月6日
カメラ
  名称:    Canon Kiss X4
撮影モード: マニュアル
撮影感度:  ISO 800
ピント合わせ方法:ライブビューによる
望遠鏡 名称:  Vixen ED103S
  口径:  103mm
    焦点距離:795mm→522mm (×0.67レデューサー使用)
   F値:   7.7→5.2(×0.67レデューサー使用)
架台 種類: ドイツ式赤道義
   名称: Vixen SXD

ガイド撮影: GA-4による手動ガイド
画像処理: ステライメージ6による
われわれの住む銀河系から最も近い銀河の一つ、アンドロメダ大銀河です。
暗い空でなら肉眼でも淡くぼんやりとした様子を見ることができます。
焦点距離が795mmでは画角が狭くはみ出してしまったため、レデューサーを購入し、
ぴったりの画角で撮影しました

第5位 冬の夜想曲(ノクターン)
撮影者:    武田 舞(2006年度入学)
撮影地: 東北大学天文同好会安達観測所
撮影日時: 2011年9月27日
露出時間: 26時55分から20分間
カメラ: Nikon NewFM2
フィルム: Ektacrome 200
レンズ: Zenitar 16 mm F2.8
絞り: F=4
フィルター: なし
撮影焦点距離: 16 mm
明け方に昇ってきた冬の星座と愛車(写真右隅)を撮ってみました。
普段は仙台方向が明るいため白くなってしまいやすい安達の東の空ですが、
この夜は条件が良かったため、雲と空の色をきれいに撮ることができました

第7位 下弦の月
撮影者:    内山允史(2010年度入学)
撮影日時:    2011年7月23日
露出時間:    1/100sec  
カメラ 名称:  Canon Kiss X4
撮影モード: マニュアル
撮影感度:  ISO 100
ピント合わせ方法:ライブビューによる
望遠鏡 名称:  Vixen ED103S
  口径:  103mm
  焦点距離:795mm
  F値:   7.7
撮影方法:    直焦点撮影
補助器材:    ガイド鏡(A80SS)
架台 種類:   ドイツ式赤道義
   名称:   Vixen SXD
ガイド撮影:   GA-4による手動ガイド
画像処理:    ステライメージ6による
以前先輩に「お前はちゃんと月を撮ったことがあるのか」と聞かれ、
そういえばなかったなと思い、撮ってみました。
他の天体写真に比べると一見簡単そうに見えますが、
実際にやってみると露出の調整が難しく、苦労しました。
この日はとてもシーイングが良くて、クレーターがとてもシャープに見えました

第8位 IC349 メローペ星雲
撮影者:    別所泰輝 (2007年度入学)
撮影地:     福島県浄土平ビジターセンター駐車場
撮影日時:    2011/10/27 22:18~
露出時間
  総露出時間: 2時間15分
各フレーム別:900秒 × 9コマ
カメラ
  名称:    EOS Kiss X2
撮影モード: バルブ
撮影感度:  ISO800
ピント合わせ方法:ライブビューによる
望遠鏡 名称:  VC200L(VISAC)
  口径:  200mm
  焦点距離:1,800mm
  F値:   9.0
撮影方法:    直焦点撮影
補助器材:    f/6.4レデューサー
合成焦点距離:  1,278mm
合成F値:     6.4
架台 種類:   ドイツ式赤道儀
   名称:   EM-200_AGS_1S_BLD(K-ASTEC改)
ガイド撮影:   FC-76(K-ASTEC改)ガイド鏡
         Synguiderオートガイダー
画像処理:    StellaImage 6.5 , Photoshop CS5 Extended
おうし座の方向、距離440光年の位置にある『IC349 メローペ星雲』を撮影しました。
メローペというのは写真中央にある明るい星のことで、
その周りに刷毛で掃いたような青白いガスの流れがありますね。
このガスがメローペ星雲です。
この青白い特徴的なガスの流れがとても美しく、
天体写真の愛好家の間ではとても良く撮影される天体です。

実はこのメローペという星は「プレアデス星団」という星の集団に属しています。
プレアデス星団は肉眼でもよく見えるので、
日本では古くから和名で「すばる」と呼び、
とても綺麗な星々として人々に親しまれてきました。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、
清少納言の『枕草子』の中でも「星はすばる云々…」と詠まれています。

またこの「すばる」は富士重工業の自動車部門のブランド名である
「SUBARU」の語源にもなっており、
同社のエンブレムマークにも星の並びとして採用されています

第9位 日はまた昇る
撮影者:    武田 舞(2006年度入学)
撮影地:     神割崎(南三陸町)
撮影日時:    2011年10月26日
露出時間:    28時30分から1分間
カメラ:     Nikon NewFM2
フィルム:    Ektacrome 200(+1)
レンズ:     Zenitar 16 mm F2.8
絞り:      F=4
フィルター:   なし
撮影焦点距離:  16 mm
画像処理:    なし
神割崎は冬場の晴天率が高く風も少ないため、
天文同好会内でこの時期よく行く観望地です。
三月の地震で神割崎自体はで無事でしたが、
周辺地域は津波による甚大な被害を受けました。

復興への願いを込めて撮影した一枚です。

第10位 月光
撮影者:    武田 舞(2006年度入学)
撮影地:     鳥海山(山形県遊佐町)
撮影日時:    2011年6月15日
露出時間:    23時35分から35分間
カメラ:     Nikon NewFM2
フィルム:    Ektacrome 200
レンズ:     Nikkor 24 mm F2.8
絞り:      F=4
フィルター:   なし
撮影焦点距離:  24 mm
画像処理:    なし
6月の月食の日に宮城県の天気予報が曇りということで、
鳥海山に遠征した時の写真です。
肝心の月食は雲に隠れて見えなかったのですが、
月の光を受けて輝く日本海を見ることができました。

次回の写真展は5~6月頃仙台市内のどこかで行われる予定です。
※各写真の著作権は撮影者にあります。無断転載等は固くお断りします。
written by A.Kazama(2012)

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