2015 春 写真展


今回の写真展は 5/23~6/13 に仙台市天文台にて行われました。
ご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。
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第1位 柵(しがらみ)を超えて
撮影者: 天野 領太 (2014 年度入学)
撮影地:岩手県一関市 室根山 山頂付近
撮影日時:2015年 4月25日 
露出時間:15秒
カメラ:Cannon EOS 6D
撮影モード:マニュアル
レンズ: EF 24-105mm F4 L II USM
F値:5.6 ISO感度:6400
撮影焦点距離:(35mm換算) 24mm
画像処理:PhotoshopCS6
柵という字には「しがらみ」という読みがあります。「しがらみ」には、世間による束縛といった意味があります。世間は私たちにとって、常に過ごしやすい場所、とは言えません。そんな場所から逃げたくなる時もあります。しかし、逃げるのではなく「しがらみ」を乗り越えた時…… 私たちの目の前には、今まで見えなかった美しい世界が広がっています。

第2位 第2位 SHINARI-彩-
撮影者:渡邉 達朗 ( 2012年度入学)
撮影地:宮城県石巻市 御番所公園駐車場
撮影日時:2015年4月26日 0時23分~
露出時間 総露出時間:2時間15分
 各フレーム別:15分×9
カメラ 名称:Canon EOS Kiss X5
 撮影モード:Manual
 撮影感度:ISO800
フィルター:なし
レンズ:SIGMA 150mm F2.8 APO MACRO EX DG OS HSM
絞り:F2.8 → F3.5
撮影焦点距離:150mm(35mm換算:240mm)
架台 種類:ドイツ式赤道儀
 名称:タカハシ EM-200B
ガイド撮影:GS-200RC+Lodestar+PHD guiding2によるOff-Axisガイド
画像処理:Stella Image7にてダーク、フラット、コンポジット、レベル調整、デジタル現像
 Photoshop CS6にてノイズ処理、強調処理

星雲の織り成すSHINARIが宇宙に躍動感を与えているように感じます。まるで怒りに満ち溢れた仁王像がこぶしを振り上げているかのように。多彩な色の中の暗黒星雲は仁王を取り巻く、力強い覇気でしょうか。 左の絵は、美術学校に通う友人に依頼して仁王のイメージ絵を制作してもらいました。

第3位 天を流るる大三角
撮影者:望月雄太 ( 2010年度入学)
撮影地:宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉倉石岳 すみかわスノーパーク付近
撮影日時:2015年4月26日2時16分~3時30分
露出時間 総露出時間:3600秒
 各フレーム別:60秒
カメラ 名称:OLYMPUS OM-D E-M10
 撮影モード:マニュアル
 撮影感度:ISO2000
フィルター:PRO1D プロソフトンA
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0
絞り:F2.8
撮影焦点距離:(35mm換算)24mm
架台 種類:ポータブル赤道儀
 名称:SIGHTRON nano.tracker
ガイド撮影:なし
画像処理:AstroArts StellaImage7による加算コンポジット,ダーク減算処理,
 デジタル現像,Adobe PhotoshopCS6 によるレベル補正,
 トーンカーブ補正,グラデーションマスク処理

夜空に輝く夏の大三角と,その中心を流れる天の川を撮影しました.天の川のほとりにはたくさんの星たちが輝いています. 夏の天の川と言えば,七夕のお話が有名ですね.織姫星と彦星が一年に一度,七夕の夜にだけ天の川を渡って会うという恋物語,みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか.短冊に願い事を書くのも,もともとは機織りの得意な織姫星にならって,裁縫や書道の上達を願って書いていたものが,時代と共に移り変わっていったものとされています. みなさんは,願い事を叶えたいとき,どうしますか?神様にお祈りをする方はたくさんいると思います.最近では,節分の日に恵方巻を食べて願い事をする,という流行もあります.はたまた,夜空を見上げ流れ星に願うという方もいるのではないでしょうか.でもやっぱり私は,短冊に願い事を書いてみようかな,と思います.願い事はきっと天の星たちが叶えてくれることでしょう.

第4位 帰り道
撮影者: 天野 領太 (2014 年度入学)
撮影地:岩手県一関市 室根山 山頂付近
撮影日時:2015年 4月25日 
露出時間:15秒
カメラ:Cannon EOS 6D
撮影モード:マニュアル
レンズ: EF 24-105mm F4 L II USM
F値:5.6 ISO感度:6400
撮影焦点距離:(35mm換算) 24mm
画像処理:PhotoshopCS6

誰もが幼い頃に、日が暮れるまで外を駆け回ったり、友達とたわいもない会話をした日があります。そんな日は、どこか高揚した気分で家路についたのではないでしょうか? その時見た星々は、どのように見えたでしょうか? この写真で夕暮れを演出しているのは太陽ではなく、気仙沼の街明かりです。 この街明かりには、ぬくもりと懐かしさがあります。

第5位 月齢4.3
撮影者:小松巧 ( 2013年度入学)
撮影地:安達観測所
撮影日時:2015年4月23日
露出時間:1000フレームから5%をスタック、6枚をモザイク合成
計6000フレーム
カメラ 名称:ASI120mc
望遠鏡 名称:MT-200
口径:200mm
焦点距離:1200mm
F値:f6
撮影方法:直焦点撮影
架台 種類:ドイツ式赤道儀
 名称:U-150
画像処理:Registax6にてスタック PSCCにてモザイク合成 レベル調整

天文同好会の写真展に、自分達の観測所の機材で撮影した写真が無いのは悲しいと思いこの写真を出展します。大気の気流の影響を減らすために撮影した1000枚の写真の中から綺麗に撮れている5%を選び出しコンポジットしました。さらに解像度を高める為に6枚をジグソーパズルの様に繋ぎ合わせて一枚の写真にしています。 クレーターなど、月の表面の形状が本当に良く出ていると思います!

第6位 彩り
撮影者: 白井 翔太 (2010年度入学)
撮影地:岩手県室根山牧場のレストラン駐車場
撮影日時:2014年11月21日
露出時間 総露出時間:3時間30分
 各フレーム別:7分30秒×28枚
カメラ 名称:Canon EOS 6D (SEO-SP4)
 撮影モード:RAW
 撮影感度:ISO1600
ピント合わせ方法:バーティノフマスクによる
望遠鏡 名称:ε130D
 口径:130mm
 焦点距離:430mm
 F値:3.3
撮影方法:直焦点撮影
架台 種類:ドイツ式赤道儀
 名称:タカハシ EM200B
ガイド撮影:StarLightExpress社LodeStar + PHDガイド
画像処理:RAP2, CCD stack2, Stella Image 7, Photoshop CS6

オリオン座にあるバーナードループの北部です。右下にある青い星雲は、ウルトラマンの故郷・M78星雲です。ウルトラマンと聞いてわかる子供が減ったのには世代の差を感じる年になりました。 オリオン座は非常に彩りの多い星座の一つです。今年もまた、様々な顔のオリオン座を撮影したいと思います

第7位 夏がやってくる!
撮影者:小松巧 ( 2013年度入学)
撮影地:岩手県一関市室根山
撮影日時:2015年4月26日 2時26分
露出時間:15分
カメラ 名称:EOS 6D
撮影モード:B
撮影感度:6400
フィルター:なし
レンズ:14mm f2.8
絞り:f4
撮影焦点距離:14mm (35mm換算)
画像処理:DSSにてコンポジット PSCCにてレベル調整、2値マスク合成

まだ肌寒い春の室根山、新芽の膨らんだ枝と登ってきた天の川を撮りました。雪に閉ざされた寒い冬が終わり、暖かい季節が始まろうとしています。木の枝と天の川という対象を活かすために2値マスクを使って処理を行いました。

第8位 帰っておいで
帰っておいで
撮影者:三井文乃 (2010年度入学)
撮影地:石川県輪島市白米町
撮影日時:2015年5月5日22:55~
露出時間:10分
カメラ:Nikon FM2
フィルム:SUPERIA X-TRA 400
レンズ:Nikkor 28mm
フィルター:Kenko MC UV SL-39
絞り:4.0
撮影焦点距離:28mm
画像処理:なし

念願の北陸新幹線に乗ってGWに帰省したときに、白米千枚田で撮った写真です。2011年に「能登の里山里海」は世界農業遺産に登録されました。白米千枚田はその代表的な棚田です。  絞りがあまく、空が明るすぎる写真になってしまったのは大きな反省点ですが、田んぼと海と星空をセットで撮影することができました。大切な、地元の風景です。またいつかこの景色を撮りにきたいと思います。

第9位 夜空のシャンデリア
撮影者:渡邉 達朗 (2012年度入学)
撮影地:岩手県一関市 室根山, 宮城県南三陸町 神割崎
撮影日時:2014年4月2日 0時11分~,2015年3月20日 23時25分~
露出時間 総露出時間:RGB:40分(Kiss X5), L:140分(ML8300) 計100分 
 各フレーム別:RGB:5分×8, L:10分×6
カメラ 名称:RGB:Canon EOS Kiss X5 L:FLI ML8300
 撮影モード:RGB : Manual
 撮影感度:ISO3200
ピント合わせ方法:ライブビュー+バーティノフマスク+ピントエイド
望遠鏡 名称:GS-200RC
 口径:200mm
 焦点距離:1600mm
 F値:8
撮影方法:直焦点
架台 種類:ドイツ式赤道儀
 名称:タカハシ EM-200B
ガイド撮影:Lodestar + PHD Guiding2によるOff-Axisガイド
画像処理:Stella Image7にてダーク、フラット、コンポジット、デジタル現像
 Photoshop CS6にてLRGB合成、ノイズ処理、強調処理
望遠鏡で見ても、ぼやっとしたグレーの雲のようにしか見えませんが、写真を撮ると宇宙の暗闇の中に浮かぶシャンデリアのように見えます。 これはM101と呼ばれる渦巻き銀河で、銀河の直径は19万光年、地球からは2200万光年の距離にあります。私たちの地球が、天の川銀河と呼ばれる銀河系の中にあるように、このM101という銀河の中にも地球のような星があり、人間のような生き物がいるかもしれません。その生き物が私たちの住む天の川銀河を見て、シャンデリアのようだと言っていたら面白いですね。

第10位 情熱 撮影者: 白井 翔太 (2010年度入学)
撮影地:岩手県室根山牧場のレストラン駐車場
撮影日時:2014年11月20日
露出時間 総露出時間:2時間7分30秒
 各フレーム別:7分30秒×17
カメラ 名称:Canon EOS 6D (SEO-SP4)
 撮影モード:RAW
 撮影感度:ISO1600
ピント合わせ方法:バーティノフマスクによる
望遠鏡 名称:ε130D
 口径:130mm
 焦点距離:430mm
 F値:3.3
撮影方法:直焦点撮影
架台 種類:ドイツ式赤道儀
 名称:タカハシ EM200B
ガイド撮影:StarLightExpress社LodeStar + PHDガイド
画像処理:RAP2, CCD stack2, Stella Image 7, Photoshop CS6

冬の空、いっかくじゅう座にあるバラ星雲です。バラと言えば情熱。天体写真にとって大切なのは、撮影機材よりも、技術よりも、情熱です。写真にどれだけの情熱を傾けられるかです。 このバラ星雲も私の情熱がこもった作品です。星の色、星雲の色、この鮮やかさが好きです。しかし、「きれいな花にはトゲがある」というように、バラ星雲にも、もう一つの顔があります。見えますか?きれいな花に潜むドクロの顔が。 自然が作り出した「だまし絵」みたいなところもこの天体が好きな理由です。

次回の写真展は10月 に行われる予定です。
※各写真の著作権は撮影者にあります。無断転載等は固くお断りします。
written by Takanori Iizuka

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